名古屋ドラガン・ストイコビッチ監督(43)が1月31日、新エースのFWダビ(24)「操縦」に自信をみせた。1日のチーム始動を前に愛知・豊田市内で会見。今季加入した期待のダビはJ屈指の得点力を誇る一方、昨季札幌で2度の退場処分を受けるなど計4試合出場停止となった「暴れん坊」の一面も持つ。だが、自身も現役時代にJ退場王として君臨した!?

 指揮官は「私がコントロールする」と頼もしいコメント。自身の経験も生かして、ブラジル人ストライカーの能力をピッチ上でフルに発揮させる構えだ。

 ある意味、最適任者なのかもしれない。暴れ馬ダビを乗りこなし、J屈指の得点能力を開花させられるのはこの人しかいない。いまもJ最多記録として残る通算13回の退場を誇る?

 ストイコビッチ監督だからこそ気持ちが分かるはず、だ。

 心が通じたのか指揮官はこの日の会見で自身と同タイプの熱血派アタッカーについて「サッカーにおいてアグレッシブさは、とても重要なこと。私は積極的なプレーヤーが好きだ」。こう好印象を口にし、振る舞いを不安視する質問には「私がしっかりコントロールする」と自信をみせた。

 ダビは普段は比較的おとなしく、だれからも好かれる好青年。だが、自ら「ピッチに入れば燃えるタイプ」と説明するように火が付くと止められない激情家の一面を持つ。札幌在籍時の07年はJ2で出場停止7試合。J1に昇格した昨季も4月25日新潟戦(札幌ド)で相手DFと口論した揚げ句、頭突きで一発退場。これも含め2度退場し出場停止4試合。ダビが欠場した9試合すべて札幌は敗れ、結局J2に降格した。

 ダビの振る舞いが昨季のままなら、名古屋にとってはもろ刃の剣となる。安定した成績を残し、リーグ制覇を成し遂げるためには、新エースをうまく御すことが不可欠。監督1年目の昨季、周囲の心配をよそに退席処分もなく終始落ち着いた振る舞いを続けた指揮官が自身の経験をもとに?

 導いてみせる。

 昨季は天才肌のFW玉田をやる気にさせ、完全復活へと導いた実績もある。気性の激しさを勝利への爆発力へと転化させる操縦術で2年目を迎えるピクシー名古屋の攻撃力も大幅アップする、はずだ。【八反誠】