名古屋DF吉田麻也(20)が「松坂の教え」を胸にACL&リーグ制覇を目指す09年度の本格スタートを切った。名古屋は1日、愛知・豊田市内で練習を開始。今季からDFリーダーの背番号4を背負う吉田は1月のイベントでレッドソックス松坂大輔投手(28)と初対面。苦境でも信念を貫き通すという、プロ野球界の「怪物」の教えにのっとり、全試合出場でチームの勝利に貢献する。

 吉田が充実の表情で新たなシーズンの本格スタートを切った。ランニング中心の午前は集団を先頭で引っ張り、ボールを使った午後も首脳陣の「マヤ!、マヤ!」の声に笑顔で反応。精力的にメニューをこなした。

 プロ3年目のチーム始動を終え「コンディションも良いし、とにかくケガなく全試合出られるように頑張りたい」と決意を語った。

 オフに超大物から「教え」を受けた。1月28日に都内で開催された「ジレット(P&G社)」のイベントで、レッドソックス松坂と同席。共通点はともに所属チームの色が赤ということくらいで、接点はまったくなく初対面。「相当スゴい人だった」と松坂のオーラに圧倒されかけたが、持ち前のキャラクターで出席者の中で1番にあいさつし、ちゃっかり記念撮影もお願いした。これだけで終わればただのミーハーだが、そこはA代表入りが期待される大物。世界で戦う超一流との出会いを無駄にはしなかった。

 質問コーナーで「うまくいかない時はどうしたらいいですか?」と相談。「松坂さんからは『やり方を変えずに、自分を信じて貫き通すことが大事』と言っていただきました」。ブレない姿勢の大切さを説かれたという。

 昨季は北京五輪でチームを留守にしている間に、一時的に定位置を失った。今季はDF田中の加入で、右サイドバックのDF竹内が吉田らのいるセンターバックの定位置争いに参戦してくる可能性もある。レギュラー争いは昨季より激化しそう。「松坂の教え」で、自分を信じて突き進み、目標の全試合出場を達成することがチームへの最大の貢献。その先にあるA代表入りにもつながるはずだ。【八反誠】