<J1:清水3-3京都>◇第16節◇4日◇アウスタ

 清水の「サムライ・ストライカー」が今季初の1試合2ゴールを決めた。左サイドMFで先発した岡崎慎司(23)は、1-1で迎えた前半28分、FWヨンセンからのパスに頭から飛び込んだ。「ボールが思っていたよりも伸びた。こめかみに当てた感じだった」と、角度のないところからのダイビングヘッドで1点目。さらに同44分、枝村-市川と経由したボールを1トラップの後、右足を振り抜き今季初のマルチゴールを達成した。

 W杯アジア最終予選後、インタビュー取材が殺到した。クラブは体調を考慮し、週2日程度に制限。それでも岡崎は地元テレビ局の番組への出演や、静岡県知事選挙のPRなど忙しく走り回った。「(取材は)プレーを振り返るにはいい機会。口に出して話すことで自分に言い聞かせることもできる。さらにレベルアップするためには必要なこと」と、おごることはない。

 2ゴールで今季通算7得点目とし、チーム得点王に立った。しかし終了間際に痛恨の同点弾を許しドロー。「まだまだ、課題はあるし、チームの勝利につながっていない。自分が試合を決める意識でやりたい」。岡崎の「刀」が、さらに切れ味を増していく。【為田聡史】