<高校サッカー:前橋育英1-1(PK戦5-4)流通経大柏>◇準決勝◇10日◇埼玉

 前橋育英(群馬)がミラクルを起こした!

 流通経大柏(千葉)に1点をリードされた後半45分。主将のMF鈴木徳真(3年)が起死回生の同点ゴールを決めた。PK戦でも全員が成功させ、勝利した。実に5度目の挑戦で、初めて鬼門だった準決勝を突破した。

 前橋育英の山田耕介監督は、決勝での好敵手との直接対決を熱望した。交通事故で入院し今大会ここまで指揮を執っていない星稜の河崎監督とは同じ55歳。長きにわたり、良きライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)してきた。敵将を気づかいながら「同学年でもう30年くらいの付き合いになる。できれば決勝のグラウンドに来てもらって戦いたい。もちろん体の具合によるとは思うけど、できれば戦いたい」とエールを送った。

 星稜とは昨年8月の総体準々決勝で対戦し2-1で勝っている。ただ同監督は「うちはチャレンジャー」と控えめ。それでも勝利とともに、譲れないものがある。総体の対戦では両校とも黄色を基調としたユニホームのため、前橋育英が白いセカンドユニホームを着用したという。これを持ち出し「今回、選手権は星稜さんが白でウチがタテジマでとお願いしてきました」。笑いながら“先制パンチ”を見舞った。