横浜DF中沢佑二(36)が鉄人ならぬ超人記録をかけ、6日の東京との今季最終戦(味スタ)に臨む。プロ16年目の今季リーグ33試合にフルタイム出場中。先発確実な東京戦で90分プレーすれば、36歳にしてプロ初のシーズンフルタイム出場を成し遂げる。GKでは昨季、37歳だった名古屋楢崎が達成しているがフィールドプレーヤーではJリーグ史上最年長の偉業達成。続くのは31歳の鹿島DF青木(13年)ら5人。従来の記録を5歳も、大幅更新する。

 レギュラー争いで若手を寄せ付けない力を示し続け、けがもせず、激しい競り合いが仕事のDFにもかかわらず、累積警告などによる出場停止もない。2日の横浜市内での練習後「30歳を過ぎてから、毎年目標にしてきたこと。若いから、元気だから、全試合出場できるというわけじゃない」とプライドをにじませた。

 誰より早く練習に来て、遅くまで居残りメニューをこなし、試合後も会場内で徹底的に体をケアし、他の選手より1時間以上遅く帰る。その1分、1秒の積み重ねが、34試合×90分=3060分という時間になる。「特別なことはない。今まで通りの準備をするだけ」。大記録を前にしても、いつも通りプロに徹する。

 中沢率いるDF陣は今季まだ28失点で、失点数はリーグ最少。優勝争いする浦和の同30点を超える堅守。チームの成績は7位と物足りないが、試合に出続け、抑え続ける-。衰え知らずの愛称ボンバーが優勝争いの裏で、鉄人ならぬ超人になる。【八反誠】