FIFAワールドカップ1次リーグE組初戦で日本に敗れたドイツ代表のハンジ・フリック監督(57)に逆風が吹いている。名将として名高い指揮官だが、日本戦の采配について疑問視する声が、元代表のレジェンドたちから高まっている。

口火を切ったのは、ローター・マテウス氏(61)だ。ドイツ紙ビルトの取材に「私は今までフリック監督派でした。しかし、日本戦に関してはいくつかの采配に疑問を持っています。いくつか質問があります」

まずは選手起用について首をかしげた。

「なぜいつも出場していたケーラー(ウェストハム)が出場しなかったのか? 失点はサイドから崩されたものです。ズーレ(ドルトムント)は本職のサイドバックではありません」

続けて試合の流れを見誤った采配についても。

「ミュラー(バイエルン・ミュンヘン)とギュンドアン(マンチェスター・シティー)という経験豊富な2人を交代したことによりチームのバランスが崩れました。リズムが失われたのです」

マテウス氏はドイツの闘将、鉄人と呼ばれた同国の英雄。MF、DFとして国際Aマッチ150試合23得点。W杯には1982年スペイン大会以降、5大会に出場。82年、86年大会は準優勝、90年大会は決勝でマラドーナ擁するアルゼンチンに前回大会で敗れた雪辱を果たし、優勝している。

ドイツは27日にスペインと対戦する。1次リーグ突破へ勝利が必須となる中、フリック監督には“身内”からの批判がくすぶっている。