今夏のW杯(ワールドカップ)ロシア大会で、スタジアムに麻薬を持ち込める可能性があると、ヤフースポーツ電子版が報じた。

 同サイトがモスクワ・タイムスの情報をもとに伝えたところによると、ロシアを中心にアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスで構成されるユーラシア経済連合は、旅行者が麻薬を国内に持ち込むことを制限付きで許可している。

 麻薬が医療用で、なおかつ正式な書類を所持していることが必要だが、現時点ではW杯期間中も例外は設けないもよう。その条件を満たせばスタジアム内で麻薬を使用することも可能になるのだ。

 ロシアW杯組織委員会は警察関係者をスタジアムに配置し、旅行者が麻薬を所持する正しい手続きを踏んでいるかどうかをチェックする見通しだという。

 ただ、たとえルールが設けられているとはいえ、それをすり抜ける人間はいる。書類を偽造するなどして麻薬をスタジアム内に持ち込み、売りさばこうと考える人間はいるのではないだろうか。

 マリフアナのようにレクリエーション用として多くの場所で認められている麻薬だけでなく、ヘロインやコカインのような強力な麻薬も数カ国で医療用として使用されている。ヘロインは鎮痛剤として処方され、コカインも麻酔剤として使われている。

 我々が応援のために訪れたスタジアムのどこかで麻薬の取引が行われれば、大幅な治安低下は否めない。この状況をプーチン大統領がどう考えるか。同大統領とW杯組織委がやはり麻薬をスタジアムから締め出す方針を打ち出すのか。注目が集まっている。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)