Rマドリードからマジョルカに加入した日本代表MF久保建英(18)は1日、アウェーでのバレンシア戦に途中出場して、新天地デビューを飾った。日本人ではスペイン1部リーグ11人目の出場。スペイン、プレミア、セリエA、ブンデスの4大リーグでは18歳2カ月28日の最年少デビューを果たした。日本の若き“至宝”が、Rマドリードのトップチームを目指す第1歩を踏みだした。近日中に日本に帰国し、日本代表に合流。今度はW杯アジア2次予選へ向けて始動する。

後半開始直後、青いビブスを着用してアップを始めると2点を追う同34分、最後の交代枠で念願のピッチにたった。背番号「26」を身にまとい、2列目の右でプレーしたが、なかなかパスを回してもらえず。ドリブル突破を図っても、ボールを奪われるなど、満足なプレーが出来なかった。試合後はコメントを残さず、スタジアムを後にした。

Rマドリード移籍が発表されてから、去就が二転三転する不透明な中、ようやく1歩を踏みだした。6月14日、Rマドリードへの電撃移籍が発表された。当初は3部リーグのBチーム「カスティージャ」で新シーズンをスタートさせることまで決まっていた。だが、7月中旬から始まったトップチームのプレシーズンに参加すると評価が一変。今年の補強の目玉であるベルギー代表FWアザールら調子の上がらない主力とは対照的に、出色のプレーを披露。スペインのメディアから「チーム最大のセンセーションだった」「クボは輝いていた。チームのベストプレーヤー」など最大級の評価を受けた。

BミュンヘンやAマドリードなど、世界の強豪クラブとの強化試合で活躍したことで予定とは異なる道が開かれた。トップチームと同じ「1部リーグ」に所属するマジョルカからの獲得オファーを受けた。1部か3部か-。ジダン監督から「残ってくれることを期待している」と残留要請を受けていたが、強豪国の代表選手が集まる世界最高峰の舞台で戦うことを選んだ。

「一喜一憂せずに、焦らずに徐々に上がっていければいい」と、7月20日のBミュンヘン戦後に話していた久保の新章は「1部リーグ」から始まった。いきなり結果を残すことはできなかったが、リーグ戦は始まったばかり。そしてすぐさま日本代表戦が待っている。5日のキリンチャレンジ杯パラグアイ戦。そして10日のW杯アジア2次予選のミャンマー戦(アウェー)と戦いは続く。日本のW杯出場と、銀河系軍団の仲間入りを目指して、1歩1歩、階段を上っていく。

(高橋智行通信員)

◆4大リーグの日本人年少デビュー上位5傑◆

1 久保建英(マジョルカ/スペイン)18歳2カ月28日 19年9月1日

2 丸岡満(ドルトムント/ブンデス)18歳8カ月14日 14年9月20日

3 森本貴幸(カターニア/セリエA)18歳8カ月21日 07年1月28日

4 宮市亮(ボルトン/プレミア)19歳1カ月28日 12年2月11日

5 宇佐美貴史(Bミュンヘン/ブンデス)19歳3カ月7日 11年8月13日