今シーズン限りでの引退を表明していたビルバオの元スペイン代表FWアリツ・アドゥリス(39)が20日、シーズン終了を待たずに引退することを自身のSNSで発表した。スペイン各紙が同日に報じている。

引退を早めた理由について、アドゥリスは「その瞬間がやって来た。私は何度も、私がサッカーから離れる前にサッカーが私から離れると言ってきた。ちょうど昨日、医師が私に、人工股関節を入れ、少なくともできるだけ日常生活を普通に送れるように、早めに手術することを勧めたんだ」と説明した。そして「残念ながら私の体はもう十分だと言っている。私には自分が望むように、そしてふさわしいやり方でチームメートを助けることはできない。それがプロスポーツ選手の人生というもの。とてもシンプルだよ」と続けた。

新型コロナウイルスについては「残念なことに、私たちは今、大きな痛みを伴う深刻な状況を生きている。私たちがまだ苦しむパンデミックは、取り返しのつかないダメージを与えており、私たちは一緒に戦い続けなければならない」と語った。

最後に「私のことは心配しないで欲しい。これは単なる逸話だから。夢見ていたフィナーレのことは忘れよう。さようならを告げる時がやって来た。これが私にとってのこの道の終わりだよ。最初から最後まで忘れられない素晴らしいものだった。本当にありがとう」と締めくくった。

アドゥリスは4月18日に行われる予定だったRソシエダードとのスペイン国王杯決勝でのバスクダービーでプロキャリア最後のタイトルを獲得し、有終の美を飾ることを望んでいたが、新型コロナウイルスの影響により延期され、全てがかなわぬ夢となった。アドゥリスはビルバオ通算172得点を記録してクラブ史上の得点ランキングで6位となり、ビルバオの21世紀最多得点選手として、堂々と胸を張りスパイクを脱いでいる。(高橋智行通信員)