国際サッカー連盟(FIFA)前会長のゼップ・ブラッター氏(84)が昨年12月に心臓の手術を受け、その後1週間以上、人工的な昏睡(こんすい)状態にされていたことが分かった。娘のコリーヌ・ブラッターさんがスイスメディアに対して明かした。

ブラッター氏は昨年11月に新型コロナウイルスに感染。その時はほとんど無症状で心臓の状態との関連性もはっきりとは分かっていないが、クリスマス前に手術を受けたという。本人は「定期的な手術」と話していたが病状が悪化。体の負担を少なくして回復を待つため、人工的な昏睡状態にされたという。

コリーヌさんはブラッター氏が現在、徐々に回復していることは説明したが、どのような状態にあるか詳細は明かさなかった。

ブラッター氏は15年に発覚した一連の汚職事件を受け、6年の活動停止処分を受けている。さらに昨年12月にはチューリヒにある「世界サッカー博物館」建設プロジェクトを巡り、犯罪的な不正管理があったとして、FIFAが同氏を告訴する手続きに入ったと発表した。

だが「博物館」をめぐる告訴については昏睡状態であったため何も知らされていないという。コリーヌさんは「FIFAに絶えず攻撃されるようなことなく、父は余生を楽しむ権利がある」とブラッター氏を擁護していた。