ブラジルの古豪、ボタフォゴを退団したMF本田圭佑(34)が4日、自身が最高経営責任者(CEO)を務める会社などによるプレミアム音声サービス「NowVoice」でポルトガル1部のポルティモネンセ移籍を自ら明かした。

「ポルティモネンセというクラブと半年間契約を結ばせてもらった」と表明した。

詳細について「いろいろバタバタして契約してしまった。一昨日くらいかな、こっち(ポルトガルのホテル)で寝てて、夜の11時半くらいに(ポルトガルのホテルで)たたき起こされて、僕、火事かなんかかと思ったんです。あと30分でサインせんと、移籍できへんって言われて。弾丸ですよ、そこから。ほぼ、寝間着でロビーいってサインした。11時58分くらいで、あと2分くらいオーバーしたら登録できなかった。間に合わなかったという契約破談はあるのかな? と翌日はドキドキした。火事でなくて良かった」などと、内幕を明かした。

ACミランへの移籍会見で、決断の根拠とした「リトル・ホンダ」は今回何と言ったか? との質問には「ありがたくそのオファーを受け取っとけ」と答えた。

ポジションについては「悩んでいます。僕が決めることじゃないんですけど、もし求められれば前の方のポジションをやるのもアリかなと思っている。ボタフォゴでやっていた時ほど、ボランチに固執しない」とした。

記者会見と銘打ったイベントだったが、クラブでの会見ではなく、アプリのライブ配信機能を利用したもの。本田自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組の女性アシスタントが司会という、異例の形で進んだ。

昨年12月末にボタフォゴに退団を申し入れ、両者合意の上、契約を打ち切った。所属先がなく、フリーの立場だった。

年明け早々にブラジルからポルトガル入り。GK中村航輔、DF安西幸輝も所属するポルティモネンセから獲得の申し出を受けており、同クラブの施設を利用して、けがのリハビリと自主練習を続けていた。

昨年12月19日のボタフォゴでのコリチーバ戦(アウェー)の後半に左足を痛めた。そのけがもあり、ポルトガルでの公式戦デビューには、しばらく時間がかかるとみられる。

けがの状態については「6~8週間かかるレベル2のけが。月末には出られるのは間違いない。動きによってはまだ(痛みが)ありますね」とした。

本田は年齢制限外のオーバーエージ(OA)枠での出場と金メダル獲得を狙う東京五輪を大目標とし、欧州復帰を目指していた。

東京五輪に向けては「東京五輪がある前提で話しちゃっているんですけど、ない可能性もあるんで…。僕の場合は、そこに向けてベストを尽くすだけ。今月末には復帰して、毎試合、とにかくアピールしていく。1試合1試合が勝負。選ばれる可能性? 誰目線で話せばいいのか、という話ですが、僕目線では『そりゃ、選べや』という話ですけど。現実的には森保さん(日本代表監督)の好き嫌いやと思うんです。(OAは最大)3枠しかないので。穴があるポジションにOAをあてるのが通常のやり方。穴がどこか考えるのは森保さん。ただ、『僕を選んどいたら、結果出しまっせ』という準備、自信があります。自信なかったら、やってないし」と言い切った。

新天地は日本、オランダ、ロシア、イタリア、メキシコ、オーストラリア、ブラジルに続き、8カ国目のポルトガル。

1部ではあるが、日本人にとって手の届きやすい、過去に多くの日本人選手が所属した下位クラブとなった。

 

◆ポルティモネンセ 1914年設立。ポルトガル南部の都市ポルティモンが本拠地。ここ4シーズンは1部だが、昨季は降格圏の17位。他クラブがライセンス問題で降格したため、残留。今季はここまで18チーム中13位。過去に金崎夢生、中島翔哉、権田修一らがプレー。パウロ・セルジオ監督。