イタリアが延長戦の末にオーストリアを2-1で下し、8強入りした。0-0で迎えた延長前半5分にキエーザが先制点、同10分にペッシーナが追加点を挙げ、オーストリアの反撃を同後半9分のカライジッチの1点だけに抑えた。これで連続無失点試合は「11」で止まったが、連続無敗記録は同国の記録を更新する31試合に伸ばした。

今大会はマンチーニ監督の下、伝統の堅守に加えて攻撃力が魅力のイタリアは、この日も序盤から攻勢だったが、相手の粘りもあって、なかなか得点できない。後半になると、オーストリアに好機を許し始めた。同20分には相手主将アラバの折り返しからアルナウトビッチのヘディングがネットを揺らす。オフサイドでゴールは認められなかったが、冷や汗ものだった。

結局、90分を終えて0-0で延長戦に突入。同前半5分にスピナッツォーラからの浮き球パスをペナルティーエリア内右で受けたキエーザが、頭で落とし、右足で切り返して相手DFを揺さぶり、左足でファーへとたたき込んだ。

キエーザは欧州選手権初得点、父エンリコは96年大会のチェコ戦でゴールを挙げている。

さらに同10分にはインシーニェの左クロスを中央でアチェルビが倒れながらもキープ、これを拾ったペッシーナがゴール右へたたき込んだ。ペッシーナはウェールズ戦に続き2戦連発で出場4試合で4得点。今大会通算100ゴール目の節目だった。

キエーザもペッシーナも途中出場の選手で、マンチーニ監督の采配が当たった形になった。

スピナッツォーラは「真のチームプレーができた。守るべき時は全員で守った。延長に入る前、ラストパスの質を上げようと話し合い、それがゴールにつながった」と明かした。ペッシーナは「このチームは誰もがゴールを奪える。それが強み。素晴らしい集団だ」と自信を深めていた。

イタリアは準々決勝で、ベルギー-ポルトガル戦の勝者と対戦する。