スペインがPK戦にもつれ込む死闘を制し、連覇を達成した12年大会以来、2大会ぶりの4強入りを果たした。

スペインは前半8分、DFジョルディアルバ(バルセロナ)のシュートが相手MFザカリアに当たって、方向が変わってゴール(記録はオウンゴール)。

スペインは後半23分に自陣左サイドでボールを失い、そのままMFシャキリに同点ゴールを許したが、同32分に相手MFフロイラーが危険なタックルで一発退場となると、その後は数的有利さを生かして一方的に攻め続けた。

ただスイスの引いた守りを崩すことができず、1-1で延長に突入。延長に入ってもほぼ休むことなく敵陣で攻撃を続けたが、最後まで勝ち越しゴールを奪うことができず、PK戦に入った。

GKウナイ・シモン(ビルバオ)がそれまでほぼプレー機会がなかったため、PK戦での感覚が不安視されたが、相手2、3人目をいずれも右に飛んでセーブ。さらにその威圧感から相手4人目がゴール上にシュートを外すと、スペインは5人目のFWオヤルサバル(Rソシエダード)がゴール右に蹴り込んで勝負を決めた。

ウナイ・シモンは決勝トーナメント1回戦・クロアチア戦でMFペドリのバックパスをトラップミスし、そのボールがそのままゴールに入ってしまうという、ありえない失態も犯していたが(記録はペドリのオウンゴール)、この日の準々決勝では見事マン・オブ・ザ・マッチに輝いた。

ウナイ・シモンは「僕らは勝者にふさわしかった。コンディションを整え、自信を持って、顔を上げて準決勝に臨みたい。こうなったら優勝するしかない」と興奮気味に話し、マン・オブ・ザ・マッチについては「正直に言うと、僕だったら(相手GKの)ゾマーにあげている」と、何度も好セーブを見せた相手GKをたたえるスポーツマンシップを見せていた。

◆ウナイ・シモン 1997年6月11日、スペイン・バスク州生まれのGK。地元のビルバオの下部組織で育った。同クラブのサードチームであるバスコニアでプロデビューし、18年にトップチームで初出場した。昨年A代表デビューを果たし、現在はデヘア(マンチェスターU)からレギュラーの座を奪っている。15年にはU-18同国代表としてオヤルサバルとともに、静岡で開催されたSBS杯のために来日している。

◆放送 欧州選手権はWOWOWで全試合完全生放送、WOWOWオンデマンドで全試合ライブ配信される。