【バルセロナ(スペイン)20日(日本時間21日)=高橋智行通信員】レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(21)が32年ぶりに敵地でバルセロナを破る金星に貢献した。後半13分から途中出場すると、同27分に2点目の起点になり、チームを2-1での勝利に導いた。前節でリーグ制覇を決めたバルサのホーム「カンプノウ」には約9万のサポーターが集結。完全アウェーの中で積極的にゴールを狙い、チャンスを作った。32年ぶりの金星で、来季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場に向けて前進した。
リーグを制覇したバルセロナを後押しする約9万人の声援も、久保はお構いなしだった。1-0の後半13分から2トップの一角で出場。15分にDFゴロサベルへのラストパスで得点機を作ると、20分すぎにはドリブルで反則を獲得。キッカーを務め、FWセルロートの頭にピンポイントで合わせて決定機を作った。
そして27分、追加点の起点になった。自陣でボールを持つとドリブルで一気に加速。DF3人を引きつけ、MFスビメンディにパスを送った。久保にマークが集まったことで反対サイドでフリーになったセルロートにつながれ、そのまま難なく左隅へ蹴り込んだ。
中2日で迎えるアルメリア戦もにらみ、この日はベンチスタート。2点目が欲しい場面で投入され、アルグアシル監督の信頼に応えた。バルセロナ下部組織時代にFWでタッグを組んだ相手の10番FWファティも途中出場。かつての仲間との対決も、パフォーマンスで圧倒してみせた。
カンプノウでのリーグ戦勝利は90-91年シーズン以来32年ぶり。実に24連敗中だった。しかもバルセロナ今季リーグ戦のホーム試合は17戦14勝3分け無敗。まさに鬼門突破で欧州チャンピオンズリーグ出場圏内(4位以内)の4位をキープした。アルグアシル監督は「欧州CLに近づいた。継続する必要がある。残り3節、全力を尽くす」と前を向いた。
5位のビリャレアルとは勝ち点5差で残り3試合。あと2戦で勝利すれば自力でのCL出場が確定する。「選手は実力で歴史を作りたがっている。レアル・マドリードやバルセロナに勝ってきた。CLという大きな褒美を得るためにできる限りのことをやっている」と指揮官。いよいよ現実味を帯びてきた来季の大舞台。日本の21歳が、力強く前進するチームのエンジンになっている。
◆日本人のバルセロナ戦 リーグ戦での出場は今回の久保が28試合目。チームの戦績は通算2勝3分け23敗となった。計8人が出場し、初対戦は00年2月20日の敵地カンプノウでの試合にフル出場したバリャドリードの城彰二で0-4の完敗だった。出場試合でチームが勝ったのはこれまで乾貴士だけ。ベティス時代の18年11月11日に4-3で勝ったが、敵地で試合終了間際の出場だった。欧州リーグでは22年4月14日の準々決勝でEフランクフルトの長谷部誠と鎌田大地が敵地での第2戦に出場。チームは3-2で勝って準決勝進出。欧州CLでは07-08年の決勝トーナメント1回戦で中村俊輔のセルティックが2戦2敗だった。
◆カンプノウ 収容人数は9万9354人で、欧州最大のサッカー専用スタジアム。スペイン1部バルセロナの本拠地で、今季リーグ戦の平均入場者数は約8万3000人。欧州5大リーグでは最多となっている(21日現在)。1957年に完成し、ワールドカップ(W杯)スペイン大会が開催された82年に収容人数は12万人に増えたが、立ち見席が禁止されるなどで現在の収容人数になった。なお、24年完成予定の大規模な改築計画で、日本の建築設計大手、日建設計(本社東京)がたずさわっている。

