[ 2014年2月1日9時11分

 紙面から ]本番会場で調整する長島。サングラスに五輪マークが反射していた(撮影・井上学)

 吉兆リンクだ-。スピードスケートの日本代表は1月31日、本番リンクのアドレルアリーナで初練習を行った。加藤とともに金メダル候補の長島圭一郎(31=日本電産サンキョー)は昨年12月のW杯で今季2勝目を挙げたカザフスタンのリンクと似ていることを実感。本番リンクで好感触をつかんだ。

 ソチのリンクで、今季最高の感触がよみがえった。同組でバンクーバー五輪金メダルの牟太■(韓国)を圧倒して優勝したカザフスタン・アスタナのリンク。長島は「似ている。いい思い出なんで」とニヤリと笑った。

 確かに、ソチはアスタナのリンクと似ている。ともに観客席がオレンジで明るい雰囲気で、海抜は0メートルに近い。低地は気圧が高く、空気抵抗が大きいため、滑らない「低速リンク」。通常はパワーのある外国人有利といわれるが、日本代表の石幡監督が「パーフェクトで教科書」とたとえる「世界一」のスケーティングを持つ長島にとっては苦にならない。

 思えば、銀メダルを取った4年前のバンクーバーも低地。あのときは牟に金メダルをさらわれたが、同組のアスタナのW杯で完勝した今季はリベンジする自信がある。本番リンクで好感触をつかんだこともあり、3、5日に予定されるタイムトライアルは出ず、ぶっつけ本番で3度目の五輪に臨む。「(観客の入る)本番はもっと暖かくなる。暖かくなれば、体は動く」。吉兆リンクが、金メダルを後押しする。【田口潤】※■は金ヘンに凡