全国高校駅伝(12月22日、京都)につながる全道高校駅伝が、18日に北見市端野町特設コースで行われる。

女子では、今年限りで指導から退く工藤裕行監督(70)率いる札幌日大が、全国切符を狙う。室蘭大谷(現北海道大谷室蘭)を男子15度、女子21度の優勝に導き、13年に転任した札幌日大でも3度の全国出場を果たした名将。二階堂夏心(なつみ=3年)副主将は「3年生みんなで走れるのも最後。工藤先生も最後。気持ちは1つになっている」。更衣室には「全道駅伝絶対優勝、行くぞ都大路」とスローガンが掲げられた。

8月の夏合宿前、退任を聞かされた。高橋ななみ主将(3年)は「最後かなとは少し思っていた。驚きよりも、今まで以上に頑張らないといけないと感じた」。名将のもとに集まった11人の部員は、古希を迎えた監督に最後の大舞台を届けるつもりだ。

指揮官の赴任とともに13年に創部された陸上部長距離部門は、全国駅伝に3度出場したが全道優勝は15年の1度だけ。立ちはだかってきたのは3連覇中の旭川龍谷だ。3000メートルの自己記録など個の実力は相手に分があるが、同監督は「そんなに差はない。あとは気持ちの問題」と強調。最後の教え子にノウハウは全部伝えてきた。高橋も「厳しい練習をしてきた。自分たちが最高の走りを出来たら龍谷に勝てる」と自信をのぞかせた。

チームには記念大会枠で出場した昨年の都大路を経験した選手が3人いる。2区で走った二階堂は「盛り上がりと熱気がすごかった。もう1度あの舞台に立ちたい」。選手、監督、心を1つに、夢舞台を目指す。【浅水友輝】

◆工藤裕行(くどう・ひろゆき)1949年(昭24)10月11日、七飯町生まれ。大野農高3年時に全国高校総体800メートル出場し予選敗退。国士舘大卒業後の73年に室蘭大谷高(現北海道大谷室蘭)に赴任。陸上部では10年間、短距離や投てきを指導。83年から長距離指導に移った。全道高校駅伝で室蘭大谷を男子15度、女子21度、札幌日大の女子を1度優勝に導いている。全国高校駅伝では男子92年15位、女子93年7位が最高。