男子100メートルを山県亮太(28=セイコー)が制し、復活への第1歩を刻んだ。

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山県選手は1カ月でこんなに戻るのかと驚いた。3月28日のレースを見た時は、まだ復活は時間が必要かもしれないと思ったが、本来の力が戻ってきた。

具体的には、もも裏、背中の筋肉をしっかり使えるように変わった。以前は太ももの前側の筋肉に頼り、もも裏は十分に使えていなかったように見えた。もも前の筋肉を使って走ると、ボルトのように膝の上がった走りになるが、山県選手は、そういう上下動しながら走るタイプではない。体が縦には動かないタイプで、本人が一番力を出せるフォームを取り戻した。

山県選手は1度、好調の型にはまると、高いアベレージを出し続けることができる。またスプリンターは勝負のイメージが残るものだが、強い山県が戻ってきたなと、脳裏に残るライバルも多いのではないか。山県選手にとって、今回が大きな契機になることは間違いない。(男子100メートル元日本記録保持者)