アテネ五輪の出場権はガチンコ勝負で競う。アテネ五輪代表選考の大阪国際女子マラソン(来年1月25日、長居陸上競技場発着)の記者発表会が17日、大阪市内のホテルで行われた。01年の覇者渋井陽子(24=三井住友海上)ら豪華メンバーが出場する。検討されていたペースメーカーの導入は、3月の名古屋国際とともに見送られる。高橋尚子(31)が2位に終わった東京国際との公平性を保つためで、代表残り2枠は同一条件で争われる。

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混とんとする代表選考に、これ以上の異論は挟ませない。日本陸連は、大阪国際女子マラソンで導入を検討していたペースメーカーの見送りを決めた。桜井専務理事は「(沢木)強化委員長らと話し合い、選考の公平性を重視することになった」と経緯を説明。今月3日の組織委員会で議題に上がり、記者発表前日の16日に最終決定した。

国内最初の選考レース、東京国際で高橋がまさかの2位に沈んだ。タイムも平凡な2時間27分21秒。有力選手がそろう大阪国際の結果とタイムが選考の焦点となる。桜井専務理事は「好記録が出ても『あれはペースメーカーをつけた記録』と評価されるのもかわいそう」と説明。3月の名古屋国際も導入されない。

アテネを目指すランナーは、まさにガチンコで高橋に勝負を挑む。渋井、そしてパリ世界陸上3位の千葉、同4位の坂本と持ちタイム2時間21分台の選手が3人。加えて00年大阪国際2位の弘山、今年のロッテルダムで2位になった大南博と豪華メンバーが結集する。「トップアスリートが大阪に集結した。ペースメーカーがつかなくても、かなりのタイムを期待している」と桜井専務理事は好レースを予告した。

外国招待選手はヌタ・オラル(33=ルーマニア)の2時間25分18秒が持ちタイムの最高で強敵はいない。かつてない日本人選手の激しい争いになるのは確実で、高橋に名古屋国際出場の決断を迫る結果になるかもしれない。【実藤健一】