女子マラソンの市橋有里(21=住友VISA)が、念願の五輪キップを手に入れた。日本陸連は18日、都内で評議員会を開き来年のシドニー五輪代表の第1次内定者として、今夏の世界陸上男女マラソンで、メダルを獲得した市橋、条件付きの佐藤信之(27=旭化成)ら8人を承認した。市橋は「一番いい色のメダルを取りたい」と金メダル取りの決意を語った。

評議員会が行われた国立競技場で記者会見に臨んだ市橋は「五輪という最高の舞台の代表に選んでいただきうれしく思います」と喜びの第一声を語った。世界陸上後、内定確実の報道辞令? が先行したが、市橋本人の自覚は十分だった。「選ばれるつもりでしっかり準備はしていました」。五輪代表の重みは「感じている」と言うが「責任感は感じてません」と過剰な気負いもない。「これでしっかり準備できます。コースを覚えるために五輪コースにもあと数回は行きたい」と冷静に対策を口にした。

「長期計画で2004年五輪出場」の夢がうれしい4年の前倒し。1期上の市川良子がトラック種目でアトランタ五輪に出場したことで「身近に感じるようになった」という。年末年始に温暖な海外で合宿、3月は起伏の多い山間合宿、そしてトラックでスピードを養成し、仕上げのマラソン練習へ。「シドニーでは一番いい色のメダルを取りたいです」。よどみない口調に自信をうかがわせた。