全国高校総体予選を兼ねた青森県総体が開幕した。女子ハンマー投げでは、日本高校記録、U-20日本記録を持つ弘前実・村上来花(3年)が、1年時に打ち立てた大会記録(46メートル27)を塗り替える57メートル59で優勝した。大会は30日まで、無観客で開催される。

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シニアの一線と肩を並べる村上が、全国舞台へ向け「初戦突破」した。本番前練習でも60メートルを越えるロングスローを見せ、優勝候補筆頭で臨んだ2年ぶりの県総体。場内アナウンスをされ、注目の投てきに会場全体が静まりかえる中、1投目は約50メートル中盤を投げるも左側に外れてファウル。2投目に修正し、52メートル99で首位に立った。5、6投目からは徐々に記録を伸ばして、最終的には57メートル59で優勝した。

それでも結果には満足しない。4月17日に九州共立大(福岡)での記録会で、日本歴代6位となる自己ベストの62メートル88をマーク。7日の県春季大会でも61メートル20と、安定して60メートル台を記録し続けてきたが、この日は50メートル台。全6投中3投がファウルに終わり「高校3年生という立場で、どうしても“最後”という言葉がついてしまうので、それを変に意識してしまった。自分が弱かったのが原因で、それがただ体に反応してしまった」と説明した。

今後は6月19日に岩手・北上市で開幕する東北総体に臨む。約3週間の準備期間は「今回の試合の動画を振り返って、どこが駄目かを見つけたい。試合の雰囲気を意識しながら練習して、メンタル的な部分をもっと強化したい」と無駄にはしない。1年時は東北総体を突破し、全国総体に出場したが11位。その後は日本選手権などを経験したが、悔しさはまだ晴らせていない。「記録的には1番ですが、まだ全国で1位を取ったことはない。そこを目標に頑張っていきたい」。東北総体の舞台・北上は昨年10月、高校女子で初の60メートル台をマークした思い出の地。思いを込めたロングスローで、さらにその名をとどろかせる。【相沢孔志】

◆村上来花(むらかみ・らいか)2004年(平16)1月13日生まれ、青森・弘前市出身。弘前一中1年時に陸上競技(短距離)を始め、弘前実で本格的にハンマー投げを始める。1年時は全国高校総体11位、東北高校新人優勝。2年時に日本選手権5位。自己ベストは62メートル88。166センチ。

▼女子ハンマー投げ結果 <1>村上来花(弘前実)57メートル59<2>木村梨乃(大湊)41メートル14<3>石沢美菜海(弘前実)40メートル74<4>笹颯月(黒石商)39メートル33。