憧れのオリンピアンと過ごす1年を、飛躍につなげる。

陸上男子5000メートルの高校日本人記録(13分22秒99)保持者で、今春から順天堂大(順大)に進学する吉岡大翔(18=長野・佐久長聖)が15日、オーストラリアで18日に行われる「世界クロスカントリー選手権大会」へ向け、羽田空港で出国取材に応じた。

吉岡は高校の寮をすでに退寮し、順大の練習に参加中。体に負荷をかけたトレーニングを経験し「数日前まで筋肉痛で歩くのもつらかった」と苦笑いを浮かべた。

順大には、21年東京オリンピック(五輪)3000メートル障害で7位入賞の三浦龍司(3年)が在籍している。練習をともにし、「足にバネがついているんじゃないか」と感じるほど、動きに魅了されたという。

三浦をはじめとした新4年生と過ごせるのは1年間のみ。限られた時間を大切にする。

「自分だけでは気づけなかったことはもちろん多くあると思うので、それを1つでも多く吸収したい。その真価が問われるのが、三浦さんたちが卒業された後の2年生以降になってくると思います」

陸上界のホープは、未来を見据えた言葉を続けた。

「学んだことをそのままやっても、三浦さんと同じになれても、それ以上にはなれないと思うので。自分なりにプラスアルファとして形を変えて、どんどん成長につなげられたらと思います」

よどむことなく、はっきりと言い切った。

世界クロカンでは、U20男子8キロに出場する。いつかオリンピアンを追い越すため、今は目の前のレースで力を振り絞る。