陸上の日本選手権20キロ競歩が19日、兵庫・神戸市六甲アイランド甲南大学西側20キロコースで行われ、男子は21年東京五輪で銀メダルの池田向希(24=旭化成)が初優勝を果たした。加えて、23年世界選手権(8月19日開幕、ハンガリー・ブダペスト)の代表にも内定。

過去6度の優勝を誇る高橋英輝(30=富士通)も、連覇は逃したが、2位に入って同選手権代表に内定した。

2人は序盤からレースを引っ張り、15キロ付近までは一騎打ち。16キロ付近で池田が前に出ると、そのまま突き放して1時間18分36秒でゴール。2位の高橋に31秒の差をつけた。途中まで競り合うレースを展開し、その後ペースを上げて勝ちきる。計画通りだった。

風が吹き、雨も降りしきる中でのレース。風は、スタート時、風速2・8メートルを計測していた。

池田は「18分を切るペースを考えてたけど、このコンディションでこのタイムにまとめられたのは収穫」とうなずいた。注意、警告ともに0で終えられたことも自信になった。

昨夏の世界選手権で2連覇して同選手権の出場権を獲得していた山西利和(愛知製鋼)は今大会を欠場。池田は「この大会で勝ててなかったからうれしい」と結果を喜びつつも「(今大会欠場の)山西さんに勝ってはない」として、直接対決に闘志を燃やした。

同じく内定入りした高橋は「内定を目標にしてたのでホッとした」とほおを緩ませ、8月の大舞台に向けて「自分の力を出し切りたい」と力を込めた。