日本陸連の大会総括が行われ、マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏と中長距離マラソン担当シニアディレクターの高岡寿成氏が出席した。

瀬古氏は「今日はね、高岡君が先にやるんで。いつも俺が先なんで」と冒頭から笑わせ、まず高岡氏がレースを振り返った。

高岡氏 今回もワールドメジャーズの1つを東京で見ることができたことに感謝しています。日本人が主導権を握る場面もあり、勝負しているところも見られて、日本記録を上回るペースで多くの選手が走ってくれて、挑戦する気持ちが感じられました。惜しくも日本記録には届きませんでしたが、男子では(2時間)5分台が2人、成果があったと思っております。世界と最後の競り合いまではいかなかったですけど、満足しております。女子も松田(瑞生)さんが積極的に先頭グループを走り、日本記録を上回るペースで走ってくれて、レースに懸ける意気込みを感じました。終盤は落ちてしまいましたけど、次につながることを信じたいです。

瀬古氏 日本人の2名が2時間5分台。一定の成果はあったかなと思います。ただ、外国人が1~6位の集団という中、誰かが行けないと。毎回、言ってますけど、そうしないと世界の壁は乗り越えていけない。ぜひ次は集団の中に入れる力をつけてほしい。あとは私の後輩の大迫君です。日本での復帰第1戦。緊張していただろうし、MGCの権利もなくて葛藤もあったでしょう。しかし、大迫君らしい復活の走りでした。引退してから、なかなか気持ちを、モチベーションを持ってやっていくのは大変だなと思っていましたが、さすが大迫君。次はもっといい走りをしてくれると思います。女子は松田選手。日本記録! 日本記録! と周りがはやし立てすぎたことが、走りが硬くなってしまった要因かもしれませんね。はね返すくらいの選手でいて欲しかったけど、残念ながら。ゴール後も泣いていました。今回は大丈夫かなと思っていたら、また泣く羽目になってしまって、かわいそうでした。次は世界選手権、MGCと、笑顔の松田選手を見たいと思います。細田選手は、全くテレビに映っていなかったけど、いきなりゴールに現れてビックリしました。たぶん今回がセカンドベストかなと思うんですけど、安定した走り、さすがだなと。そして一山選手。体調が悪いと話して苦戦が予想される記者会見で、どうなるかなと心配しておりましたけど、やっぱり、その通りになってしまった。次のレースでは立ち直って、彼女らしいレースをしていただきたい。

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