男子100メートルで元日本記録保持者の桐生祥秀(27=日本生命)が同種目決勝に臨み、10秒29(追い風0・5メートル)で5位となった。1位の柳田大輝(東洋大)に0秒04差だった。

今月22日に約10カ月ぶりの国内復帰レースとして男子200メートルに出場した桐生は、この日は“本職”の100メートルに出走。スタートはやや出遅れたものの、中盤から徐々に加速し、他の選手を猛追した。抜き去ることはできなかったが「前に誰かがいる前提でスピードを上げて、それでどうなるのかをやりたかった。その結果(前を走る選手に)届かなかったのが決勝の収穫かな」と前を向いた。

桐生にとって、今大会の織田記念国際は縁深い試合でもある。京都・洛南高の3年時に、同大会で当時日本歴代2位の10秒01をマーク。脚光を浴びた。あらたまった口調で「陸上が注目されるスタートになったと思う。今回は休養やけががあったりして、10年ぶりにここで走って、まだまだタイムや順位は出てきてないですけど、ここから頑張りたい」と決意を新たにした。

最大目標には24年パリオリンピック(五輪)出場を掲げている。その前年となる今季は「8、9月ぐらいに10秒00を突破」を目指しており「自分がやりたいことっていうのは日本記録を出すこと」と言い切った。

自己ベストの9秒98、そして山縣亮太による日本記録の9秒95超えへ。桐生は燃えている。