青山学院大(青学大)の鶴川正也(3年)が13分54秒86をマークし、日本勢トップとなる3位に入った。

ただ、ワンツーを留学生選手に許し、充足感はなかった。「優勝したかったです。とても悔しい。まだまだ弱いので、これから1年かけて力をつけていきたいです」と受け止めた。

悔やまれるレースとなった。序盤から上位につけ、残り400メートルへ。2番手で最後の直線へ入ったが、走りながら2回ほど後ろを振り向いた。背後に迫る創価大・スティーブン・ムチーニ(1年)が気になった。

「そこでスピードが数秒落ちる。腕振りも一瞬止まるので、なぜ後ろを気にしちゃったんだろうとめっちゃ悔しくて」

最後はバランスを崩し、ゴールラインへ前向きに転倒。ムチーニに0・01秒差で競り負けた。「最後まで前を向いて、追い抜いて、少しでも早くゴールしてやろうという気持ちがあれば、2番をとれたと思う」と猛省した。

鶴川は大学1年からの2シーズン、故障に苦しんできた。3大駅伝にも1度も出走できていない。そんな中、2学年先輩で、今年1月の箱根駅伝では2区区間2位と好走した近藤幸太郎(SGホールディングス)の姿が、目指すべき選手像となった。

「毎日、人一倍、当たり前のことを続けていらっしゃっていて。普通のことかもしれないですけど、継続することは当たり前でありながら難しくて、それが僕は苦手なので。でも近藤さんは、毎日同じことを繰り返していて、それがスゴイなと思いました」

憧れのエースは、もうチームにはいない。熱っぽい口調で宣言した。

「大エースがいないと言われていますけど、僕が青学の大エースになって、駅伝では僕がチームの流れを変えたい。そうすれば勝てると思っています」

その称号をつかむには、日頃の競技姿勢が肝要となる。自らに言い聞かせるように、誓いを立てた。

「僕も後輩や同期に『鶴川、変わってきたな』と思ってもらえるよう、行動で見せて、みんなの心を動かせるエースになっていきたいです」

トラックシーズンの目標は、5000メートルの自己ベスト(13分43秒96)大幅更新となる13分20秒台を出すこと。心を動かす大エースになるために、ほとばしるほどの情熱を注いでいく。