昨夏の世界選手権銅メダリストで3年連続4度目の優勝に挑んだ北口榛花(25=JAL)は、まさかの2位に終わった。

1投目から59メートル92で首位に立ったが、その後は60メートル台に到達できず。斉藤真理菜(スズキ)に61メートル14で逆転を許し、3連覇を逃した。斉藤は5年ぶり2度目の優勝を飾った。

全国各地で大雨となったこの日、会場のヤンマースタジアム長居にも雨が降り注いだ。悪天候も影響した。笑顔を絶やさなかった北口が、試合後のインタビューでは涙声になった。「悔しいですね。ずっと冷静に試合を展開できなかった。1つの結果として受け止めるしかない。次の試合に向けて乗り越えたい」。

世界トップクラスの実力で、3連覇や記録更新への期待など、大きな注目を浴びて出場した。「大会記録(19年大会の北口の63メートル68)の更新をずっと気にしていて。気持ちが前のめりになってしまった。体の大きさとかしなやかさとか自分の良さを出すことができなかった」と声を絞り出した。

ただ、今夏の世界選手権(ブダペスト)の代表にはすでに内定済み。昨年の世界選手権入賞以内で、日本人最上位という条件も満たし、4月中には決まっていた。2大会連続での切符を獲得している25歳は、「今季はコンスタントに63メートルを出せていない。まだ2カ月あるので立て直したい」と気持ちを新たにしていた。