男子5000メートルは、仙台育英(宮城)・大浜逞真(たくま、3年)が自己記録を大幅に塗り替える13分53秒28で大逆転Vを果たした。

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10周半かけて温めたエンジンが、残り800メートルで火を噴いた。大浜は2位集団の先頭に立ち、そこからぐんぐんとペースアップ。「13分台を出すためには早めにペースを上げる必要があった。残り800メートルでペースを上げれば、13分台が出ると思いました」。13分台を目指し、アクセルを踏んで激走。残り800メートルでは1位ジェームス・カルリ(1年=青森山田)と約100メートルの差。「(1位が)かなり前を走っていて、追いつけるとは思ってなかった」が、ラスト1周で約40メートルに短縮。「残り250メートルくらいで『もしかしたらいけるかも』と…」。どんどん加速し、最後の直線でついに追いついた。

トップに立ち、歓声が沸き起こり、その歓声を燃料にラスト30メートルでもう1段階ギアを上げ、カルリを振り切った。「モニターを見たときにすぐ後ろにいたので、怖さがあった。それでも逃げ切ることができてよかった。純粋にうれしい」と喜んだ。

名前の通り、たくましい真のエースになる。自己ベスト14分15秒30を22秒以上も更新する快走で優勝も「他校の人と比べたらまだまだ。1つずつしっかり勝つことで、どの人からもエースと呼ばれる存在になると思う。勝負にこだわっていきたい」と謙虚さを忘れなかった。全国高校総体の目標は「日本人トップ。メダルくらいは取りたい」。仙台育英の日本人エース「大浜逞真」の名を全国にとどろかせる。【濱本神威】

○…男子100メートルでいわき光洋(福島)の菅野凌平(3年)が、自己ベスト10秒50をマークし優勝。昨年の福島県大会準決勝では10秒86でその組の3位。決勝に進出できる2着+2人には0秒02差で及ばなかった。菅野は「その時の悔しさは鮮明に覚えている。東北大会を狙える自信はあったが、勝ちきれなかった」。悔しさを糧に東北王者となった菅野は「(今日の走りは)自信になりました」と胸を張った。