女子2000メートル障害では、仙台育英(宮城)の佐藤柚優(ゆずゆ)が6分47秒13、松島夏希(ともに2年)が6分51秒40でワンツーフィニッシュ。仲良しコンビが終始レースを引っ張った。

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仙台育英の仲良しコンビが女子2000メートル障害の主役を張った。気温28度という過酷な環境もなんのその、スタートからトップをキープした佐藤が、表情を変えることなくゴール。松島も4秒遅れの2位で続いた。全国高校総体で実施されないオープン種目だが「(松島)夏希と一緒にワンツーフィニッシュするのを目標にしていたので、うれしい」と笑顔を見せた。

大記録に挑んだ。昨年の東北高校陸上では仙台育英・武田莉奈(現東北福祉大1年)が日本高校記録(6分35秒94)をマーク。佐藤は今月1日のU20日本選手権で3000メートル障害を制した勢いで「2000障害の日本高校記録を狙おう」とレースに臨んだ。武田の1周ごとのタイムを頭に入れていたが「前半からけっこうオーバーしてしまった」。記録更新はならずも、1年前の5位から飛躍した。

残り1周、松島は佐藤を射程圏内に捉えたが、最後の水濠で転倒。5月の宮城県高校総体をはじめ一緒に出場した大会は「(佐藤に)ずっと負けていて、東北では絶対に勝ちたい」という思いが焦りにつながり、後退した。それでも、けがはなく「今日はめっちゃ暑かったので、良かったのかな」と笑い飛ばした。

佐藤と松島はともに埼玉出身で、埼玉坂戸アスリートクラブ(SSAC)で毎週のように練習をしていた間柄だという。「一緒に同じ高校に行こう」と仙台育英に入学し、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。2000メートル障害で東北のトップに輝いた経験を、自己記録更新や駅伝シーズンに生かす。【山田愛斗】

○…女子400メートル障害で仙台一(宮城)の千葉史織(3年)が昨年2位の雪辱を果たした。2位に0秒42の大差をつけて1分1秒45で優勝。「タイムを出したかったが、なかなかコンディションが整わなかった。ここから出せるように頑張りたい」。2年連続で同種目の全国切符をつかみ、「インターハイでは優勝したい。57秒台を出したい」と力強く意気込んだ。

○…女子3段跳びでは盛岡南(岩手)の浅井小雪(3年)が4センチ差を制し、悲願の優勝を飾った。2回目で11メートル95(向かい風2・3メートル)をマークしてトップに立つと、5回目では12メートル30(追い風参考2・3メートル)を跳んで記録を大きく伸ばした。昨年の同種目は4位で、前日16日の走り幅跳びは2位。頂点に届きそうで届かなかったが、リベンジを果たした。「昨日の幅跳びが最後の最後で2位となり、悔しさがあった。勝負しないといけないところで勝てて良かった」とうなずいた。

同種目の日本中学記録保持者、山形商の菅野穂乃(1年)が2位に入った。5回目に大会新記録となる12メートル26(追い風1・3メートル)で一時トップに立ったが、その直後に浅井が記録を上回った。「今回は大会新を狙っていた。大会新は出たが、2位になったのは心残り」と悔しさをにじませた。