日本陸連は7日、オンライン会見を開き、今月19日開幕の世界選手権(19~27日、ブダペスト)の代表選手63人(個人種目は58人)を発表した。

男子100メートルには、昨夏の世界選手権(米オレゴン州)で日本人初の決勝進出を遂げたサニブラウン・ハキーム(24=東レ)らを選出した。21年東京オリンピック(五輪)1500メートル8位入賞の田中希実(23=ニューバランス)は、女子1500メートルと5000メートルで代表入り。すでに代表内定を決めていた男子110メートル障害の泉谷駿介(23=住友電工)や、女子やり投げの北口榛花(25=JAL)らもメダル獲得を狙う。

一方で女子100メートル障害の参加標準記録を突破しながら、6月の日本選手権で4位となった福部真子(27=日本建設工業)は代表入りを逃した。男子110メートル障害でも、参加標準を突破済みの野本周成(27=愛媛陸協)と村竹ラシッド(21=順天堂大)が選出されなかった。

日本陸連の山崎一彦強化委員長は「選手たちにとって激烈な戦い。涙をのむ選手もいたが、それが望ましい状態だと思う」と競争激化を評価。特にハードル種目の躍進については「短距離ハードルは一番世界から遠い種目と言われていたが、一番世界から近い種目となっている」とし、重点的な強化が実りつつあると強調した。

その上で繰り返したのは、いかに持続的に活躍できるようにするか。「(メダルの)数が多い方が良いとは思うが、そこで一喜一憂していては、陸上競技として持続的な活躍には到達しない。複数年にわたって活躍する選手を育てるのが強化の仕事。誰がメダルを取れた、取れなかったというより、日本チームで戦っていく」。来夏のパリ五輪、25年9月の東京での世界選手権を見据え、日本一丸で高みを目指していく。

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