8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)男子100メートルセミファイナリストの柳田大輝(東洋大)が、10秒18(追い風0・4メートル)で初優勝を飾った。

号砲への反応速度(リアクションタイム)は8人中3位。中盤で前へ出て、差を広げた。

終盤は2着の大上直紀(仙台大大学院)の追い上げを振り切ったが、フィニッシュラインを越えると、顔をしかめながら天を仰いだ。「タイム的には足りない。決勝で記録を出さないと意味がない」と険しいまなざしで振り返った。

柳田は7月のアジア選手権で自己ベストとなる10秒02で優勝。8月のブダペスト大会でも予選を突破した。ただ、準決勝では10秒14をマークするも、組7着で敗退となった。

「今の記録じゃ戦えない」

海外勢のレベルを肌で感じてきたからこそ、この日も厳しい言葉が続いた。

今大会は400メートルリレーへも出場しているが、このレースでシーズンオフへと入る。「遊びたいですね」と本音をこぼしつつ「来年へ向けて力をつけていかないと」と切り替えていた。