8月の世界選手権(ブダペスト)で金メダルを獲得した北口榛花(25=JAL)のチームメートのペトラ・シチャコバ(20=チェコ)が59メートル64で2位となった。優勝した佐藤友佳(31=ニコニコのり)の60メートル37には及ばなかったが、日本初参戦の試合で自己2番目の記録を収めた。

試合を終えると、同会場でファンとの交流イベントに参加していた北口がチェコ語と日本語とで通訳し、報道陣の取材に対応。「初めてこうした大きなスタジアムでの試合をして緊張していたが、1投目がすごく悪くて目が覚めた。6投目にしっかり投げられて良かった」と声をはずませた。

もともとは北口が出場予定だったが、シーズンの疲労を考慮して欠場。一方のシチャコバは世界ランキングのポイントの上積みを狙っており、チェコで同じチームに所属する北口の誘いもあって出場となった。

そのシチャコバは1投目で43メートル21に終わったが、その後はスタンドの北口からアドバイスを受け、本来の実力を発揮。2投目以降は50メートル台に乗せ、最終6投目で59メートル64を飛ばした。

北口も最終投てきに滅法強く、ブダペスト大会でも6投目でビッグスローをみせた。シチャコバは「私も6投目のスペシャリスト。同じチームで必ず最後が良い2人」と笑顔。さらに「もし北口がいなかったらもっと緊張したと思う。良いコーチがいてくれて良かった」と説明すると、通訳を務めていた北口も照れ笑い。「ここはカットでお願いします!」と笑いとばした。

北口は19年から単身でチェコへ渡り、同国のデービット・セケラック氏に師事。チェコ語も独学で勉強し、今夏の世界選手権では同国のインタビューにチェコ語で回答して話題を集めていた。