24年パリオリンピック(五輪)マラソン代表をかけたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が行われ、8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)で日本人トップの12位に入った山下一貴(26=三菱重工)は、2時間14分11秒(速報値)の32位に終わった。

ブダペスト大会では最終盤に足がけいれんして入賞を逃した。あれからわずか1カ月半。酷暑のレースのダメージはまだ残っており「練習の段階でいまいちだなと思っていた」。10キロ手前で50人を超える第2集団から遅れるなど、前半から本来の走りではなかった。粘り強く1度は集団に追いついたが再びペースダウン。「前半からよくなかった。思うようなレースができなかった。悔しい」と振り返った。

ただ、このレースでパリ五輪出場権獲得の可能性はなくなっても、最後まで粘り強く走り抜いた。「沿道の応援の声があったので、集団から離れてペースは遅くなったけど諦めずに走りました」とうなずいた。

山下が残り1枠となったパリ五輪出場切符をつかむには、MGCファイナルチャレンジ指定大会の福岡国際マラソン(23年12月3日)、大阪マラソン(24年2月25日)、東京マラソン(24年3月3日)のいずれかで設定記録の2時間5分50秒を上回るタイムを残す必要がある。

「自分は出たいとは思っています。(黒木)監督と話し合って、じっくりつくっていきたいです」と出場を示唆。この設定記録は、自らが3月の東京マラソンで打ち立てた日本歴代3位の自己記録(2時間5分51秒)が基準となっており「挑戦しやすいです」と自信をのぞかせた。

この記録を上回る選手がいない場合は、今大会3位に入った大迫傑(32=ナイキ)が代表に選出される。

【MGC男子 レース詳細】はこちら>>