青山学院大(青学大)陸上競技部の原晋監督(56)が19日、都内でスポーツ指導に関する交流イベントに出席し、あらためて箱根駅伝の全国化を訴えた。

毎年1月に開催される箱根駅伝はこれまで、関東学生陸上競技連盟(関東学連)の加盟校のみに参加資格が付与されてきた。来年1月の第100回大会は全国化されたものの、今月14日の予選会で関東地区以外の通過校は「0」。第101回大会以降の全国化は未定となっている。

原監督は「スポーツ人は社会課題を解決できる人にならないといけない」との指導理念を掲げており、箱根駅伝の全国化はその信念に沿うものであると主張。箱根駅伝の出場選手の約7割は関東以外の地方出身者である点を踏まえ「そのまま東京に残ってしまうと、どんどん地方が疲弊する。逆に地元の選手が地元で就職する構造をつくれば、地方はより活性化される」と指摘した。

さらに地方の大学が箱根駅伝を目指すことで、指導者の雇用創出や競技人口の拡大につながると説明。ただ、現時点で全国化を求める指導者は少数派で「私は残念で仕方がない。自分のエゴや短期的なメリットばかりを追い求める指導者がはびこっている現状が嫌ですね」と苦言を呈した。

全国化は第100回限りとなる可能性がある。かねて「未来永劫(えいごう)の全国化」を呼びかけてきた原監督は「ルールとして、きちっと101回大会以降も箱根駅伝の全国化が明文化されていれば、それに向けて地方大学も準備できる」と全国化へのルール変更を望んだ。

同イベントには、立命館大学副学長の伊坂忠夫氏、株式会社マイナビのアスリートキャリア事業部長の木村雅人氏、株式会社SPLYZA代表取締役の土井寛之氏も出席した。