今月の第100回箱根駅伝で2年ぶり7度目の総合優勝を飾った青山学院大(青学大)が、来年以降の目標に大会記録の大幅更新を掲げた。

大会新となる10時間41分25秒で制した圧勝劇から1週間が過ぎた11日、東京・渋谷区の同大青山キャンパスで優勝報告会を開催。気温10度を下回る寒空のもと、約500人の観衆が詰めかける中、原晋監督(56)は「来年以降は10時間30分台の高速レースへ持ち込んでいきたい」と見据えた。

青学大は今季の出雲駅伝5位、全日本大学駅伝2位ながらも、得意の箱根で勝負強さを発揮。往路では2区から順に黒田朝日(2年)、太田蒼生(3年)、佐藤一世(4年)が3区間連続で区間賞を獲得し、5区終了時点で2位の駒大に2分38秒差をつけた。復路でも初出走5人がぐんぐん差を広げ、“駒大1強”の前評判を覆した。

「負けてたまるか大作戦」を発令し、直近10年で7度目のVへ導いた指揮官は「原監督、持ってると思いませんか?」と笑顔。2012年の第88回大会で東洋大が10時間51分36秒で制したことに触れた上で「それから12年後の今日、約10分、10人で割ると1人1分、距離にすると約400メートルの進化をした。それだけ長距離のレベルを上げることができた」と胸を張った。ただ、「これで満足はしていない」と切り出し、前人未到の10時間30分台を目指すと明言した。

新たな目標を打ち出すことができるのは、現チームの4年生が築いてきた土台があるからこそ。原監督は「さまざまな逆境からはい上がってきた4年間だったと思う」とねぎらった。

最上級生として、4区で激走をみせた佐藤は「この4年で勝ちも負けも経験し、いろいろなことがあった4年間でしたが、青学で良かったと心から思います」と回顧。16人のチームエントリーを外れながら、最後まで献身的にサポートした志貴勇斗主将(4年)も「これからも青山学院大学は先頭に立ち、1位でゴールするチームだと思う。これからも応援のほどよろしくお願いします」と力強く訴えた。

来季は今大会の出走者7人が残る。フレッシュグリーンの誇りを胸に、新チームも強さを追い求めていく。