昨夏の全国高校総体(インターハイ)800メートル王者の東大阪大敬愛高・久保凛(1年)が、16分22秒で優勝した。実業団や大学生の選手たちに競り勝った。サッカー日本代表のMF久保建英のいとことしても知られる16歳は「最後まで諦めず、今の全力を出すことができました」とうなずいた。

かつてはサッカー少女だったが、小学校高学年の頃に地元の駅伝大会で区間新記録を出し、和歌山・潮岬中では陸上部に所属。3年時に全中で800メートルを制し、高校1年目でも同種目で日本一となった。

800メートルでの活躍が際立つが、高校入学以降は長距離の練習も積んできたという。1月の全国都道府県女子駅伝では7区(4キロ)で12分49秒をマークし、区間6位となった。「長い距離を走れるからこそ、短い距離を走れる。短い距離を走れるからこそ、長い距離も走れる。長い距離を走ることで持久力もつくと思うので、短い距離にも対応できると思います」。この日も5000メートルを1キロあたり3分16秒ペースで走り、「余裕をもって前半を走ることができたり、ラストスパートで勝つことができたりしました」と成長を実感した。

憧れの選手は、室内を含めて7種目で日本記録を保持する田中希実。「どんな距離でも対応できるところがすごいなと思います」。その背中を追いかけ、今後は長距離種目へも挑んでいく。「800をメインにしつつ、1500や3000メートルも走ることができれば」と思い描いた。

建英の存在にも影響を受ける。「世界で戦う姿を見て、私も日の丸を背負えるようになりたい思いがあります」。4月から高校2年生となる今年の目標は、全国高校総体2連覇と世代別の日本代表入り。その先には、五輪や世界選手権での活躍を見据える。

「世界で通用する選手になりたいです」

瞳を輝かせ、固く誓った。【藤塚大輔】