陸上の世界選手権で17日には男子マラソンが行われる。

 2度目の大舞台に向けて川内優輝(26)は「前回以上に応援してくれる方が多い。全力を尽くす」と表情を引き締めた。

 公務員として働きながら毎週のようにレースに出て実力を磨き、“市民ランナーの星”と称される。過去に出場した大会の主催者などからは激励の手紙が届いた。地元の埼玉県久喜市の小中学生からも約1万2000件のメッセージを受け取り、大きな励みになっている。

 暑さは苦手な分、対策には万全を期した。「(女子の)福士さんも最後まで帽子を脱がなかったからメダルを取った」と特注の日よけ帽子に自らはさみを入れて軽量化し、本番に備えている。

 コースは日本が参加をボイコットした1980年モスクワ五輪のものと重なる。瀬古利彦ら当時世界最強と言われながら出場できなかった無念を思い「走りたくても走れない先人がいる。走れるからこそ、すべての力を発揮したい」と意気込んだ。