10月8日、燃ゆる感動かごしま国体トライアスロン競技が鹿児島県の徳之島で開催された。『燃ゆる感動』というキャッチフレーズにふさわしい白熱した熱いレースが繰り広げられた。

女子は東京都代表の江田佳子が見事2冠に輝いた。男子は滋賀県代表の内田弦大が昨年2位の悔しさを晴らし初優勝を果たした。2人ともコース・気象状況共にタフなサバイバルレースで勝ち切った。

今回は優勝したお2人に話を伺った。

◇ ◇ ◇ ◇

タフなコンディションの中でのバイク(かごしま国体のトライアスロン競技)
タフなコンディションの中でのバイク(かごしま国体のトライアスロン競技)

-優勝おめでとうございます。レースの予想と展開は理想的でしたか

江田 レースは、昨年のような少人数で先行するのが理想だったのですが大集団になりラン勝負になる可能性もあることを予想していました。スイムは出遅れてしまいましたが、焦りはなく予想通りの展開になりました。

内田 大体は予想通りのレース展開となりました。スイムからバイクで、少人数で展開し、前回大会優勝した前田選手、鹿児島代表の佐藤選手がコントロールしながら、アタックをして揺さぶりをかけてくると考えていたので、先頭集団に入ってアタックがかかったらチェックすると決めていました。ランニングについては、鹿児島代表の佐藤選手と愛媛代表の岩本選手が走ってくる予想をして備えていました。

初優勝した内田弦大(かごしま国体のトライアスロン競技)
初優勝した内田弦大(かごしま国体のトライアスロン競技)

-今回、会場が徳之島ということでトライアスロンならではの自然や起伏のあるタフなコースレイアウトが印象的でした。優勝されましたが、それは結果であってレース中にはさまざまな駆け引きがあったり、準備も必要だったと思います。『ここが勝負どころだった』という点を教えてください。

江田 勝負どころは2つありました。1つ目は、バイクの集団があまり機能せず、残り3周(全8周回)で第2集団との差が25秒と聞きアタックをかけてスピードを上げた場面です。2つ目は、ランの2周目(全2周回)の登りが終わり、7kmあたりの下りを使ってロングスパートをかけた場面がポイントだったと思います。

内田 今回、勝負のポイントは、『レース前の準備』だったと思います。僕は、他の選手よりも3日早く現地に入って湿度と気温の高さに順応することができていました。大会当日は、タフなコース設定に加えて気温と湿度が高かったので、このアドバンテージは大きかったと思っています。

-江田選手は昨シーズンから海外レースを経験している中で、苦戦した場面も多かったと思います。客観的に見てもたくましくなったなという印象はありますが、海外のレースを経験して成長したと感じる部分はありますか。また、内田選手は練習拠点をイギリスに置き挑戦している中で、感じたこと、成長しているなと実感できている部分があれば教えてください。

江田 昨年から海外レースを回る中、前半シーズン序盤から持病のぜんそく発作が続きレースをリタイアするなど思うようなレースができず、自分と向き合う場面が多くなりました。たくさんの方にサポートいただき再び立ち上がることができました。海外レースに転戦できるようになったことのうれしさも、思うようにいかない悔しさも含めて、今、全力でトライアスロンができている力になっていると思います。

内田 海外では、3種目全体の底上げとレーススキルを高めています。オープンウオーターでの立ち回りやバイクのコーナーリング、バイク後のランニングスキルなど、それぞれ単体でパフォーマンスを発揮するのではなく、トライアスロン競技でパフォーマンスを発揮できるように取り組んでいます。他には、トライアスロンへの向き合い方が変わりました。『トライアスロンができているだけで幸せだ』と心の底から思うようになりました。海外生活は、住む場所や人とのつながり、言語、食事、安心と安全についてなど、日本では考えなくてもそろっているものを自分1人で1つずつそろえていき、本当に大変な思いをしたからこそ、このような感情が生まれてきました。それからは自然と練習にも身が入るようになり、パフォーマンス向上につながりました。

-それぞれ課題を克服しての優勝、また苦悩があったからこその『トライアスロンに対する思い』が実っての結果となりましたね。今まで支えてくれた方々、応援してくれた方々に一言お願いします!

江田 いつもたくさんの応援をありがとうございます。皆さんのあたたかい声援が大きな力になりました。中でもトライアスロンをはじめた当初から、良い時も悪い時も向き合ってともに歩んでくださった、山倉和彦監督と紀子コーチに感謝の気持ちを伝えたいです。そしてチームの仲間、先輩、会員さんにも感謝しています。これからもよろしくお願いします!

内田 いつも温かいご声援ありがとうございます。僕が夢を追いかけ続けられているのは、皆さまに支えて頂いているからです。これからも、もっと上を目指して、挑戦していきますので、楽しみにしてください。また、2025年は滋賀国体が待っています。僕はこれまでも滋賀を盛り上げることにも重きを起きながらやってきましたので、2年後に向けてもさらに強化していきます。これからもよろしくお願いします。

選手とスタッフが一丸となって挑んだチーム東京(かごしま国体のトライアスロン競技)
選手とスタッフが一丸となって挑んだチーム東京(かごしま国体のトライアスロン競技)

-これからの目標をお願いします!

江田 まずは、日本選手権で去年の順位を上回ること、優勝争いすることです。大きな目標の一歩として、パリオリンピックにつながる来年の横浜WTCS出場し世界のトップ選手と戦うことが目標です。まだまだ『やればできる』ということを証明できるようにこれからも精進していきます。

内田 僕は、自分が見たことがない新しい世界を見続けたいです。世界トップで戦える選手になって、オリンピックに出場することが目標です。

-江田選手、内田選手、ありがとうございました。

◇ ◇ ◇ ◇

2人とも順風満帆でここまできたのではなく、それぞれ苦悩や試練を乗り越えての優勝だった。

国体2冠の江田佳子(かごしま国体のトライアスロン競技)
国体2冠の江田佳子(かごしま国体のトライアスロン競技)

スポーツは『結果』が一番わかりやすく表に出るので、どうしてもそこだけが抜き取られがちだが、選手の努力や人としての魅力も発信していけたら良いなと改めて感じた。

そして、今週末には日本トライアスロン選手権が東京お台場にて開催される。

アジア大会で優勝したニナー賢治選手、高橋侑子選手はじめ、国内外で活躍している選手から社会人アスリートまで幅広く層が出場する。

表彰式で笑顔をみせる内田弦大(かごしま国体のトライアスロン競技)
表彰式で笑顔をみせる内田弦大(かごしま国体のトライアスロン競技)

国体と同様、熱い戦いにぜひ注目して見ていただきたい。

これからも多くの方にトライアスロンの魅力が伝わることを願っている。