<フィギュアスケート:全日本選手権>◇第1日◇21日◇さいたまスーパーアリーナ

 右すね負傷から強行出場のエース高橋大輔(27=関大大学院)は、82・57点の4位と出遅れた。

 高橋は、わずかに右足を引きずっていた。SP終了後に行われたフリーの滑走順抽選。右足の状態について「ベストじゃないですが。どうですかね。分からないですね」と言葉を濁していた。しかし左足に少し遅れた右足の動きに、もどかしさが漂った。

 3大会連続五輪に向けたSP。冒頭の4回転トーループが回転不足。続くトリプルアクセルで着氷した直後に右足が滑って転倒した。「次にいこうと思ってこけた。それで焦ってしまった。アクセル以降は自分がどういう演技か、覚えていない」。得意のスピンで取りこぼしもあった。「情けないというか。それだけです。不安や緊張感に負けてしまった自分がいる」。

 11月26日に負傷した右脛骨(けいこつ)骨挫傷により調整遅れは否めない。この日午前に行われた公式練習ではダブルアクセル、ダブルトーループなど、難易度を落としたジャンプを反復した。演技直前の6分間練習では4回転に3度トライも成功なし。エースの誇りもあり、冒頭で4回転にチャレンジしたが「できなければ意味はない。そこは勝負なので。頑張ったとかじゃなくて」と言った。

 今日22日はフリー。4位と出遅れたが、フリーで巻き返せば、表彰台は射程圏だ。「明日は気持ちでいくしかない。今日の悔しい気持ちをつなげたい。しんどかろうが、足が痛かろうが、試合は来る」。エースが、腹をくくって勝負に出る。