フィギュアスケートの世界選手権は今日26日にさいたまスーパーアリーナで開幕する。4年ぶり3度目の優勝を狙う浅田真央(23=中京大)は25日、会場での会見と公式練習に臨んだ。去就に関心が集まる中、言葉に込めたのは“リベンジ”。ソチ五輪のフリーは世界中で感動を呼んだが、ショートプログラム(SP)は16位と出遅れた。27日のSPではその時と同じ衣装で銀盤に立つ。

 鮮烈な印象を残したソチから帰国したのは先月25日だった。現役続行か引退かを巡る「ハーフ、ハーフ」発言をしてから、ちょうど1カ月。以降は公の場に出ることなく、母国での世界一決定戦へと調整してきた。注目の第一声は、悔しい思いで始まった。

 浅田

 今季ラストの試合ということで、五輪でかなわなかったショートとフリーで、良い演技を2つそろえることが目標です。

 あふれる涙で終えたフリーでの4分9秒は、世界中で感動を呼んだ。本人も「人生最高の演技」と自賛した。そしていま、時がたって心に引っかかったのはSPの失敗だったのだろう。会見の壇上で「五輪では取り返しのつかないことをしてしまい、すごく悔しかったので、この大会は自分にとって非常に重要なもの」と続けた。

 だからか、今大会は16位と沈んだSPと同じ衣装を再び着る。今季は3つの衣装を使い分けてきたが、良い印象はないだろう一着を選んだ。「これまで経験してきたことを生かして、自分を追い込んでいきたい」。会見でそう話したが、コスチュームもその1つなのかもしれない。

 帰国後は疲労や時差を考慮して1週間は休養したが、それ以降は通常通りの練習姿勢を継続してきた。燃え尽き症候群とは無縁。SPの雪辱へと滑り込んできた。佐藤信夫コーチも「気が抜けているとか、やる気がないとかは感じなかった。大丈夫だと思う」と振り返った。この日の2回の練習では、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も7本中6本成功させるなど万全。ソチでは転倒した代名詞も雪辱の機会を待つ。

 「ハーフ、ハーフ」発言後の進退に対する心境については、この大会が終わった後に、はっきりとさせるつもりだ。いまはただ大会だけを考えていく。「五輪のフリーは、すごく久しぶりにやり切ったと思える演技ができたので、世界選手権のショートとフリーでも同じ思いができたらいいな」。

 この1カ月で季節は冬から春に移り、会場から近い東京はこの日、桜の開花を迎えた。やり切ったと思えた時、その顔に“満開”の笑顔が咲いた時、浅田の中に1つの答えが出る。【阿部健吾】

 ◆浅田のソチ五輪VTR

 2月8日に新種目の団体SPで最初の演技を行った。冒頭の3回転半で転倒し、全体の3位。一時、ソチを離れてアルメニアで最終調整。しかし同19日の女子シングルSPでは3度のジャンプにすべて失敗して16位発進。22時間後のフリーでは冒頭のトリプルアクセルに成功。3回転以上のジャンプを全6種類計8度すべて着氷。自己新の142・71点をたたき出し6位に浮上した。