日本代表が世界選抜に敗れた。FW陣はスクラムなどのセットプレーで上回ったものの、BK陣は課題の連係ミスや、タックルミスが続出。9月18日開幕のW杯イングランド大会に向け、FWとBKで明暗が分かれた。本番まで残り約1カ月で、選手間の意思疎通をどこまで深められるかが勝利へのカギとなる。

 BK陣はタックルや味方へのサポートなど、攻守で出足が悪かった。後半25分から出たSH日和佐はパスの展開の速さが売りだが、密集戦に入る2人目、3人目のサポートが遅く持ち味を出せなかった。

 ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は「日和佐があんなに時間がかかるのを初めて見た。次、同じことをしたら、足をちょん切ってやろうと思う」と、独特の表現でBKへ不満を示した。

 世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」挑戦やケガで主力選手の合流が遅れたことも響き、SH田中、SO立川のハーフ団は「コミュニケーション不足」と口をそろえた。ただ立川は「時間をかければやれる実感はある」とも続けた。16日昼に宮崎に戻り、急ピッチで連係の向上に努める。

 FWは自信をつかんだ。磨き続けるスクラムは1度も後退しなかった。スタメンのFW8人の体重は日本の872キロに対し世界選抜は905キロ。体重差をものともせず、後半26分にはゴール右前約10メートルのラインアウトからモールで押して認定トライも奪った。W杯初戦で当たる世界ランク2位の南アフリカを想定した相手に、プロップ畠山は「1度も負けなかった」と胸を張った。【岡崎悠利】