日本ラグビー協会は25日、都内で会見を開き、日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、55)が、9月18日開幕のW杯イングランド大会後に退任すると発表した。今季から参入する世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」の日本チームの強化責任者からも退く。日本協会は、日本開催となる19年W杯に向けた後任選びに着手した。

 急な発表だった。ジョーンズHCの任期途中の退任を発表した日本ラグビー協会の坂本専務理事は、「考えていなかった」と硬い表情を浮かべた。契約は12月31日まであったが、今月20日に「W杯で退任したい」という申し出があった。慰留の意も含めてW杯後に話し合うことを持ち掛けたが、W杯後の退任という意志は固かったという。来季から世界最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」に参戦する日本チームのディレクター(強化責任者)からも退くことになった。

 退任理由について坂本専務理事は、ジョーンズHCが「新しいチャレンジをすることになった」と説明していた、とした。契約交渉中のSRのストーマーズ(南アフリカ)の監督に就任するとみられる。協会は前日24日の理事会で、W杯イングランド大会決勝の翌日11月1日付での退任を承認。宮崎で合宿中の日本代表候補選手に先に伝えたい、という本人の希望を受け、この日の発表となった。

 後任の選定を急ぐ日本協会はHC、ディレクターともにリストアップを始めた。リストには日本人、外国人が入っているといい坂本専務理事は「トップリーグの全監督の名前も入っている」と話した。監督像については「今回の(W杯の)結果も考えるが、ジョーンズHCのラグビーを継承できないと意味がない。続けて強くできる人がいい」と説明した。

 今後は協会内に設ける選考委員会で選定を進めていく。W杯後の最初のテストマッチは来年6月になる見込みだが、坂本専務理事は「もっと早く決めたい」と話した。来年2月から始まるSRの日本チームのディレクターについては「早ければW杯前に決定する可能性もある」とした。【岡崎悠利】

 ◆エディー・ジョーンズ 1960年1月30日生まれ。オーストラリア・タスマニア州出身。現役時代はフッカー。98~01年度シーズンはSRのブランビーズ(オーストラリア)を率い、00年度準優勝、01年度優勝。同年にオーストラリア代表HCに就任し、03年W杯で準優勝。09年にトップリーグ(TL)・サントリーのゼネラルマネジャーに就任。10年度シーズンからは監督も兼任、11年度はTL、日本選手権を2冠。12年4月から日本代表HC。