真のポスト五郎丸は俺だ!! 静岡聖光学院が今日30日、全国高校ラグビー選手権(大阪・花園ラグビー場)2回戦で、シード校の国学院久我山(東京第1)と対戦。カギを握るのが、高校日本代表候補のキッカー影山駿介(3年)だ。28日に倉吉北(鳥取)との1回戦(105-0)で2T7Gを記録。相手のキッカー島田悠平(3年)も高校日本代表の好選手だが、正確なキックで金星を狙う。

 奈良・天理大白川グラウウンド。チーム戦術を確認した後、影山がプレースキックを始めた。ゴールから約35メートル離れた左右のタッチライン際と、真正面の約50メートルから1本ずつ蹴り、ともに決めた。「昨日の試合も体がキレていた。キックの修正も出来ているので、楽しみです」。

 キック前のルーティンは、日本代表FB五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)の動きに似ている。顔の前で右手を立て、その手を大きく後ろに回し、助走に入る。五郎丸のブレークは今年のW杯後だが、ラグビーを始めた高校入学直後から注目。中学までサッカー部だったことで、キッカーに指名されるや、すぐに参考にするようになったという。

 190センチ、90キロ。体格にも恵まれる影山への期待は大きく、島田至隆監督(39)は「試合展開にもよるが、エリア争いでキックが重要になる」と話す。本来はFBだが、「打倒 国学院久我山」を実現するべく、その高い走力も生かしてトライも狙えるWTBでの起用を決めている。

 だが、影山自身は相手のキッカー島田を強く警戒している。昨年11月、日本ラグビー協会タレント発掘・育成事業「男子セブンズアカデミー」では、ともに選出された。昨年の全国大会でもプレーを見ており、「キックの距離とランニングが印象にあります」。

 しかし、自分のキックが、勝敗のカギを握ることは自覚している。昨年度大会は2回戦で、優勝校の東福岡(福岡)に14-100と大敗した。1回戦で勝利しても、シード校に勝たないと新たなチーム史を作れないことも分かっている。「全国との差を感じ、1年間努力してきた。キックに関しては自分が勝って、試合を有利に進めていきたい」。優勝5度の国学院久我山に勝てば、静岡高校ラグビーの歴史も変わる。今日、その目標を全力で達成する決意だ。【大野祥一】

 ◆影山駿介(かげやま・しゅんすけ)1997年(平9)12月5日、静岡市生まれ。5歳からサッカーを始め、高校からラグビーに転向。家族は両親、姉。190センチ、90キロ。血液型A。