「純白の王者」になる-。柔道の世界ランク上位で争うマスターズ大会を終えたリオデジャネイロ五輪代表選手らが5月31日、開催地のメキシコから帰国。優勝した男子90キロ代表のベイカー茉秋(21=東海大)は、「これでずっとホワイト(白)道着で戦える」と五輪本番へ目を向けた。

 報道陣の前に姿を見せた第一声は「僕だけですよ、世界ランク1位は。やりました!」。国際連盟がリオ五輪出場権を決める同30日付の世界ランクをこの日発表し、日本は男女計14階級で出場権を獲得。マスターズ大会優勝を受け、世界ランク1位として挑むのはベイカーだけになった。外国勢ほど国際大会出場が多くない日本勢は、同ランクへの反映も少ない。実力をそのまま表す指標ではないが、五輪本番では上位8人がシードされる利点もある。

 世界ランク1位はそのまま第1シードに。白と青のカラー道着が導入されたのは00年シドニー五輪からだが、トーナメント制で白で戦い続けられるのは、第1シードだけだ。「本当に強い選手は青のイメージがない。(世界選手権7連覇中の)リネールもそう。自分もそうなりたい」とベイカー。世界ランク、道着と他選手と違うこだわりを持つ21歳が、昨年の世界選手権3位から一気に王者へと駆け上がる。【阿部健吾】