北海道科学大高がフルセットの激闘の末に2-1で城東(徳島)を下し、全国大会初勝利を飾った。主将でエースの阪口秀英(3年)が24点を決め、勝利の立役者となった。27-26のマッチポイント、バックアタックを相手コートにたたき込んだ阪口は「みんながつないでくれたから打ち切ってやろうと思った」と、興奮で顔を紅潮させた。

 流れを引き戻したのは、153センチのピンチサーバー福嶋克茂(2年)だった。第3セット、22-24と先にマッチポイントを奪われた時に出場。小柄な選手が相手選手の手前でグイッと落ちるサーブで相手の守備を崩した。「自分はこれだけを練習してきた。それを頼もしい先輩がつなげてくれた」と笑った。

 エースが後輩の思いに応えた。2年前は別府鶴見丘(大分)に圧倒され、0-2でストレート負けを喫した。阪口は1年生ながら「バネが違う」(工藤博己総監督=58)とスタメンに抜てきされたが「スパイクのコースの正確さも、レシーブも弱さがあった」と痛感。レシーブでは、台上から打ち込まれても返すトレーニングを連日続けてきた。

 「目標は達成できたけど次がある。短い時間だけどコンビのつなぎを確認して臨みたい」と阪口。今日の3回戦市尼崎戦、準々決勝で、さらに歴史を塗り替える。【中島洋尚】