「はっきり言っておきたいんですが、トロロッソからの高額の資金的な条件が原因で供給交渉が破談になったという記事が報じられていましたが、あれは事実ではないし完全に嘘ですし、トロロッソに対してもホンダに対しても失礼な話だと思います」

 供給先がなくなればF1撤退を余儀なくされてしまうが、F1を運営統括するFIA(国際自動車連盟)やF1の商業面を取り仕切るFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)はともにホンダのF1撤退を望んでいない。メルセデスAMGやルノーなどF1に参戦する他自動車メーカーも同様の考えだ。

 「イタリアGPの現場ではFIAのジャン・トッド会長やFOMのチェイス・キャリー会長、マネージングディレクターのロス・ブラウンらと会談し、彼らは『ホンダにはF1の世界にいてもらいたいし、いるべきだ』『私たちが協力できることは何でもするし、遠慮なく言ってくれ』とも言ってくれました。八郷(隆弘社長)もF1活動を(半永久的に)継続するのが(2014年に復帰してからの)今回のF1参戦の基本であると考えています」

 ただし2018年シーズンに向けた各チーム・各パワーユニットメーカーの調整は大詰めを迎えており、最終決定が遅れれば致命的な事態を招きかねない。“ウイン-ウイン”の関係を実現するためには、マクラーレンおよびホンダが迅速な決断を下すことが重要となる。

 「ただひとつ言えるのは、このF1村の考え方や流れ(空気感)というものがあります。ホンダがタイムリーに正しい判断をしていかないとまずいということだけです」

(米家峰起通信員)