海水浴を楽しみながら、トップ選手を応援!? 水泳の米国ナショナルチームでオープンウオータースイミング(OWS)を担当するブライス・エルサー氏が28日、同国が20年東京五輪と19年世界選手権(韓国・光州)の事前合宿候補地としている神戸・須磨海岸を訪れた。須磨海浜水族園付近から、JR須磨駅付近まで続く約1・8キロの海岸を視察。「練習の舞台として十分だ。本当にいいところだ」と感激した様子で振り返った。

 OWSは08年北京五輪から男女10キロが正式種目になった。海や川、湖など自然の水の中でタイムを競う水泳競技で、東京五輪は、お台場海浜公園での開催を予定。米国は7月末から8月上旬の合宿を計画している。

 JR須磨駅の南に広がる海岸はその時期、海水浴客でにぎわう。エルサー氏は遊泳エリアの少し沖での練習をイメージした上で「昨日(27日)神戸に着いてから、会う人、会う人が親切にしてくれた。注目されることも選手は慣れているし、問題ないよ」と笑い、JR須磨駅周辺のカフェや遠くに見える明石海峡大橋なども写真に収めた。

 米国は16年リオデジャネイロ五輪の男子でジョーダン・ウィリモブスキーが5位に入り、今夏の世界選手権(ブダペスト)では男子10キロで銀メダル。須磨海岸での事前合宿が実現すれば、海水浴客が泳ぎながら世界トップ選手を間近で見られる、貴重な機会になるかもしれない。

 エルサー氏ら視察団は29日に東京・お台場の五輪開催予定地などを視察し、同日夜に日本を離れる予定。現在の事前合宿地の候補は「神戸か大阪」だという。19年世界選手権は今年中、20年東京五輪は18年中の合宿地決定を予定している。