リオデジャネイロ五輪柔道女子70キロ級金メダルの田知本遥(27=ALSOK)が10日、東京都内で現役引退の記者会見を開き「柔道は私の生きがい。全てを懸けた20年だった」と7歳からの競技人生をさわやかな笑顔で締めくくった。

 田知本は今年6月の実業団の団体戦でいったん実戦復帰したが、その後「もっと試合をやりたいという気持ちが出てこなかった」と引退を決意。今後はALSOKに在籍しながら筑波大大学院で学業に専念し、将来的には「単に勝利だけを求めるのではなく、広い視野で競技に打ち込めることを教えたい」と指導者への夢も語った。

 富山・小杉高時代に頭角を現し、東海大4年で臨んだ2012年ロンドン五輪で7位。世界選手権でメダル獲得の経験はないが、力強い大外刈りを生かし、リオ五輪では日本女子でただ1人の頂点に立った。