日本ハンドボール協会は28日、都内で理事会を開催し、新会長に湧永製薬社長の湧永寛仁氏(44)の就任を決めた。湧永新会長は副会長に選出された福地和彦氏(63)吉田実氏(64)とともに新任の理事で、7期14年続いた渡辺佳英前会長(69)の執行部からメンバーが一新された。専務理事には強化本部長兼任で田口隆氏(56)を就任した。

 理事会後に会見した湧永新会長は「まずは信頼回復に務めたい。組織としてのガバナンス、コンプライアンスをしっかりとしたい」と、協会内の騒動を振り返って話した。「フットワーク軽く、動き回る」と44歳の若さもアピール。自身はハンドボールの選手経験はないが「今はハンドボールが好き。子どもたちが夢を持てるハンドボール界を作る」と宣言した。

 新体制は6月に決まるはずだったが、一部役員に対する解任動議などで4カ月も遅れた。理事会では一連の騒動を検証し、日本スポーツ振興センター(JSC)など関係各方面に報告するための特別倫理委員会の設置も決めた。

 協会内のゴタゴタで不安を抱えたチーム、選手もいたはずが、田口専務理事は「現場はしっかりとやってくれて、成績も残してくれた」と、8月の男子ユース世界選手権でベスト8入りするなど奮闘した選手たちに感謝。「本当に現場に支えられた」と話していた。