11カ月ぶりの実戦で女子ショートプログラム(SP)6位発進の宮原知子(19=関大)がフリー6位の126・75点を記録し、合計191・80点で日本人最上位の5位に入った。

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 宮原選手のフリーでの3回転フリップや、3回転サルコーでのミスは確かに珍しいと言えます。11カ月ぶりの実戦ということで、本番での精神状態を以前と同じようにコントロールすること、プログラムを通した呼吸のリズムなどがまだ染みついていないように見えました。しかしこれは仕方のないこと。試合から遠ざかると微妙に滑る、跳ぶ感覚が自分の中で変わってしまうことがあります。

 演技全体は悪くない出来でした。「蝶々夫人」の1つ1つの音に合わせた指先、爪先まで意識の行き届いた繊細な動きはさすがです。それぞれの要素、つなぎの部分を丁寧に演じることが出来ていました。この演技を踏まえて、さらに力強さやスピード、表現を磨き、ジャンプの精度を高めていくことで宮原選手が目指すプログラムが完成していくと思います。(カルガリー五輪代表)