東京五輪に向け、収穫と課題の見えた敗戦だった。世界ランキング50位の日本は、同30位のフィリピンに71-77の接戦で敗れた。03年8月のアジア選手権での勝利以降、公式戦では14年間勝利がなく、フィリピン戦6連敗を喫した。東京五輪の開催国枠を手にするためにもW杯出場を決めたい日本にとっては、痛い敗戦となったが、手応えも得た。

 最大14点差をつけられるも、日本は最後まで諦めなかった。7点差で迎えた第3クオーター(Q)。比江島のレイアップシュートを皮切りに勢いに乗る。司令塔の富樫が敵陣ゴール下で相手の守備に切り込み、フィリピンを翻弄(ほんろう)。パスを受けた張本が左サイドから放ったスリーポイントで一時は逆転した。しかしそこで押し切れずに敗戦となった。

 ハーフタイムで、ラマス監督が選手にかけた言葉は「自分たちの今まで培ってきた感覚でやれ」だった。その言葉通り、第3Qに点差が開いたところから逆転。富樫は「カムバックできたのは成長だと思う。そこで第3Q勝ちきれなかったのは課題」と振り返った。合宿で徹底してきたディフェンスリバウンドへの意識も成果はあった。日本は33本、フィリピンは36本。ラマス監督も「格上相手に大きな差がない。リバウンドはよくなった」と手応えを感じた。

 ◆バスケW杯予選の方式 W杯アジア1次予選は16チームが4組に分かれてホームアンドアウェー方式で対戦し、各組上位3チームが2次予選に進む。B組で世界ランキング50位の日本はオーストラリア、フィリピン、台湾と同組。2次予選は12チームが2組に分かれてホームアンドアウェー方式で対戦。各組上位3位までと、4位のチームのうち成績上位チームの計7チームがW杯出場となる。

 ◆バスケ代表の東京五輪出場までの道のり 国際バスケットボール連盟(FIBA)が東京五輪開催国枠を適用するには、日本代表の強化を条件としている。世界ランク50位の日本は世界で戦える成果を出すことが求められ、W杯で16強入りすれば確実とみられている。19年年末のFIBA中央理事会で開催国枠を適用するかどうかの最終判断が下される。もしくは、W杯でアジア最高位の成績を収めれば自動的に東京五輪出場が決定する。五輪出場枠は12カ国のみ。